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短編小説 – 夢への挑戦

短編小説 – 夢への挑戦

青空が広がる夏の午後、蝉の声が響く中、一人の少年がグラウンドに立っていた。
彼の名前は三谷翔太。小学6年生の翔太は、地元の野球チーム「青空マスターズ」に所属し、ピッチャーとして活躍している。

彼の夢はプロ野球選手になること。そのため、彼は日々の練習に全力で取り組んでいた。
翔太が野球を始めたのは、小学校2年生の時だった。父親がかつて高校野球でエースピッチャーを務めていた影響もあり、自然と野球に興味を持つようになった。よく野球番組も見ていたのでなおさらでもあった。
初めてグローブを手にした日、父親とキャッチボールをしたときの感触は今でも鮮明に覚えている。あの日から、翔太の生活は野球一色となった。

しかし、翔太の野球人生は順風満帆ではなかった。小学4年生の時、彼は一度大きな挫折を味わった。当時、同じチームに所属していたライバルの山口大輔が圧倒的な実力を見せつけ、翔太はレギュラーの座を奪われてしまった。
どれだけ練習しても結果が出ず、自分の限界を感じた翔太は一度は野球を辞めたいと思った。

そんな時、それを見ていた父親は翔太を叱ることもなく、ふと彼に一冊の本を手渡した。
それは、かつてプロ野球選手だった人物が挫折を乗り越えた経験を綴った自伝だった。叱らない父親に翔太は不思議に思いながらも本を読んでみた。時間も忘れ、いつの間にやら本を読み終えた翔太は、自分ももう一度挑戦してみようと決意する。
そして、父親とともにフォーム改善に取り組み、基礎練習を徹底的に繰り返した。

「努力は裏切らない」

という父親の言葉を胸に、翔太は毎朝早起きして自主練習を続けた。学校が終わればグラウンドに向かい、夜遅くまでバットを振り続けた。
その努力が実を結び、5年生になる頃には再びエースピッチャーの座を勝ち取ることができた。

6年生になった翔太には、新たな試練が待ち受けていた。地区大会を目前に控えたある日、チームの主力選手であるキャプテンが怪我で離脱するというアクシデントが起きた。
キャプテン不在の中、チーム内には不安と焦りが広がった。

そんな状況で、監督は翔太にキャプテン代行を任せた。

「君ならチームをまとめられる」

と監督から言われた翔太だったが、自分にはその器量がないと思い悩んだ。しかし、チームメイトから

「翔太ならできる」

という励ましの声を受け、自信を取り戻す。

翔太はまず、チーム全員で話し合いの場を設けた。それぞれの不安や意見を聞き、皆で目標を再確認することで団結力を高めた。また、自主練習だけでなくチームとしての連携プレーにも力を入れ、全員が一丸となって大会に挑む準備を進めた。

そして迎えた地区大会決勝戦。
相手は昨年優勝した強豪チームだった。
試合は序盤から接戦となり、最後までどちらが勝つかわからない展開が続いた。9回裏、1点差で相手チームがリードしている状況で、翔太がマウンドに立った。

「ここで抑えれば逆転のチャンスが生まれる」

と自分に言い聞かせながら、翔太は全力でボールを投げ込んだ。一球一球に込められた思いは観客席にも伝わり、大きな声援が飛び交う中で彼は見事に三者連続三振を奪った。

その後、味方チームが逆転サヨナラヒットを放ち、「青空マスターズ」は優勝を果たした。マウンド上で涙を流す翔太に、チームメイトや観客から大きな拍手が送られた。

「やったぞ翔太!優勝だ!」

チームメイトは大はしゃぎで翔太と喜びを分かち合った。

大会後、翔太は改めて自分の夢について考えた。「プロ野球選手になる」という目標は変わらない。しかし、そのためにはこれからも努力し続けなければならないことも痛感した。
挫折や困難を乗り越えた経験は、彼にとって大きな財産となった。

「いつかプロの舞台で活躍し、この町のみんなに恩返ししたい。」

そう語る翔太の瞳には、未来への強い決意が宿っていた。翔太の物語はまだ始まったばかりだ。彼の夢への挑戦は、これからも続いていく。

あとがき
夢を叶える為にも何事も努力をしながらがんばっていきたいものです。努力は裏切りません!

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