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短編小説 – 特売キャベツ

短編小説 – 特売キャベツ

ある日、田中さんは近所のスーパーで特売のキャベツを買いに行くことにしました。
田中さんは節約家で、特売と聞けばどんなに忙しくても駆けつける人でした。スーパーに到着すると、特売コーナーにはすでに長蛇の列ができていました。

「やっぱりみんな狙ってたか…」

と田中さんは小さくため息をつきつつも、列の最後尾に並びました。その時、隣に並んでいたおばあさんが話しかけてきました。

「あんたもキャベツ狙いかい?」

「ええ、そうなんですよ。今日は鍋を作ろうと思ってて。」

田中さんが答えると、おばあさんはニヤリと笑いました。

「鍋かい。いいねぇ。でもね、ここの特売キャベツ、なかなか手ごわいんだよ。」

「手ごわい?」

田中さんは首をかしげました。するとおばあさんはさらに声を潜めて言いました。

「ここだけの話、このキャベツ、たまに自分で逃げ出すんだよ。」

「えっ?」

田中さんは思わず声を上げました。

「キャベツが逃げるって、どういうことですか?」

おばあさんは真剣な表情で続けました。

「このスーパーの特売キャベツは新鮮すぎてね、まだ生き生きしてるんだよ。だから気を抜くとカートから飛び出して逃げちゃうのさ。私は何度か追いかけたことがあるよ。」

田中さんは「そんなバカな」と思いつつも、なんとなくその話が気になった。そしてついに田中さんの順番が来て、何事もなく特売キャベツを手にしたのだった。
確かに新鮮そのもの、葉っぱがピンと立っていて、とても美味しそうです。
「これなら鍋が楽しみだな」と思ったその瞬間——。

キャベツが突然クルッと回転し、田中さんの手からスルリと抜け出しました!

「えっ!?」

慌てて追いかける田中さん。キャベツは床を転がりながらスーパーの奥へと逃げていきます。

「待てー!」

田中さんは必死で追いかけますが、キャベツは予想以上に素早い!
途中で他のお客さんの足元をすり抜けたり、商品棚の間をジグザグに逃げたりと、その動きはまるで忍者のようです。ついにはレジの近くまで追いつめましたが、キャベツは最後の力を振り絞ってジャンプ!
なんとレジ袋の中に飛び込み、そのままお会計済みの商品としてレジを通過してしまいました。

「えっ…これどういうこと?」

田中さんが呆然としていると、レジ係のお姉さんがニコッと笑って言いました。

「お客様、こちらのキャベツ、お会計済みですので大丈夫ですよ。」

「いや、大丈夫じゃないです!自分でレジ通ったんです!」

と田中さんが抗議するも、お姉さんは

「大丈夫ですので、このキャベツはお持ち帰り下さい。」

と全く取り合ってくれません。

結局、田中さんはそのキャベツを連れて帰りました。単なるキャベツの無料配布イベントかなにかなのか?
そして鍋に入れる直前まで、そのキャベツがまた逃げ出さないかと目を離さないように気を付けていたとか。

その夜、鍋はとても美味しかったそうですが、田中さんは二度とそのスーパーで特売キャベツを買うことはなかったそうです。

あとがき
おもしろおかしな珍事件。そんな時あなたはどう対処しますか?
物価上昇の波がキャベツ自信にも命が吹き込まれ講義したのか!? なーんて……ねwww